パリ五輪の出場権を獲得し、喜ぶ日本の選手たち(2日夜、沖縄アリーナで)=浦上太介撮影 日本(沖縄)、フィリピン、インドネシアで共催されているバスケットボール男子ワールドカップ(W杯)を3勝2敗で終え、パリ五輪出場権を獲得した日本代表。バスケ男子の五輪への自力出場は1976年モントリオール大会以来48年ぶりで、W杯(前身の世界選手権含む)で1大会3勝を挙げたのも史上初めてだ。

快挙の要因には、トム・ホーバス監督が2021年秋に就任してから取り組んできたスタイルの浸透があった。世界にはね返されてきたこれまでの経緯、その悔しさを糧にチームが一丸となった沖縄での戦いを振り返る。(運動部 佐々木想)

今大会の日本は、5試合で平均83・2得点を記録。バスケの1試合40分間では80得点が平均的な目安とされているだけに、攻撃面では及第点の出来だった。ただ、これまでの日本を考えるとこれは画期的な数字だ。5戦全敗に終わった2019年の前回W杯では平均66・8得点で、3戦全敗だった21年東京五輪でも平均78・3得点。対戦相手の違いもあって単純比較はできないが、今回は八村塁(米レーカーズ)が不在の中、4年前のW杯に比べて平均16・4点増、東京五輪からも4・9点増となったことは、日本の着実な進歩を示している。特にW杯で欧州勢相手に史上初の勝利を挙げた今回のフィンランド戦では、100点ゲームまであと1歩の98得点で攻め勝つなど、これまで世界レベルの大会では見られなかった戦い方で相手を上回った。
コメント