7月4日午前0時20分ごろ。会社員八木下哲平さん(21)は京都府南丹市八木町の自宅で寝ようとしていた。
すると突然、自宅の裏から悲鳴が上がった。「離してください」という女性の叫び声が、窓を閉め切っていても聞こえた。

「ただごとではない」。大急ぎで外に出た。近くの歩道で、若い男が無言で若い女性に馬乗りになっているのが見えた。
緊張したが、勝手に体が動いた。高校時代にパワーリフティングで鍛えた筋力を生かし、力ずくで男を女性から引き離した。その後、近くの交番まで一緒に走って女性を助けた。
八木下さんは知らない男に背後から抱きつかれた10代の女性を救ったとして、8月17日、京都府警南丹署から感謝状が贈られた。
八木下さんは「自分は思ったよりとっさに動ける人間だと気づいた。今後、犯罪とかに出くわす場面があったらできるだけ人助けをしたい」と振り返った。
南丹署管内では八木下さんが活躍した7月4日、午前0~5時に同様のわいせつ事案が相次いでいた。署は同日、同市内の作業員の男(23)を強制わいせつ容疑で逮捕。同月25日には、八木下さんが関わった事案で男を強制わいせつ未遂容疑で再逮捕した。
南丹署の赤名肇署長は「よく勇気を振り絞って助けていただきました。深く感謝申し上げます」とたたえた。
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