5月末の土曜日、午後10時半。福岡市の繁華街・天神にある警固公園。小さなリュックを背負い、地べたに座り込んだ14歳の少女は、決してその場を動こうとしなかった。「家に親はいない。帰りたくない。野宿する」。少女にとっては家よりも、夜の街のほうが安心できる場所のようだった。

10~20代の若者が、東京・歌舞伎町の「トー横」や大阪・道頓堀の「グリ下」といった繁華街の一角に集まっている。福岡では、警固公園がそういう場所だ。SNSでつながる彼らは「警固界隈」とも呼ばれる。

少女の隣で話に耳を傾けるのは、福岡市のNPO法人「あいむ」の藤野荘子さん(30)。夜の警固公園にたむろする少年少女に声をかけ、支援につないでいる。「アウトリーチ」と呼ばれるその活動に同行すると、虐待などで家や学校に居場所を失い、生きづらさを抱えている様子が見えてきた。

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