医師の死亡と母の蘇生の期待:法廷での音声公開が明らかにする悲劇

埼玉県ふじみ野市の住宅で昨年1月、医師が散弾銃で射殺されるなど医療関係者3人が死傷した立てこもり事件で、裁判員裁判の第2回公判が30日、さいたま地裁で開かれました。事件当時の音声データが証拠として提出され、自暴自棄になった男が「全員撃つつもりだった」と語るなど、事件の生々しいやりとりが明らかになりました。

事件の経緯と音声データ

この日公開された音声は6点で計約1時間40分。男は途中でイヤホンを一時的に外したり、時折目を閉じたりしながらも終始落ち着いた表情で音声を聞いていました。最初の音声は事件当日の夜。男がボイスレコーダーで録音していたとされ、医師ら7人が男宅を訪問したところから始まった。

母の蘇生の期待と銃撃

男は落ち着いた口調で、亡くなった母が蘇生するかもしれないとして「淡い期待がある」「胸がなんとなく、なんとなく(動いた)。ただ、脈を測ると全然」などと発言。その後は、医師らが男の母のためにおりんを鳴らしたと思われる音も収録されていた。

銃撃後の混乱と立てこもり

男が医師と男性理学療法士を銃撃した直後は悲鳴や怒号が飛び交う中、男性の「110番してください!」「駄目だって!」という声に「先生!」と泣き叫ぶ女性の声が入り乱れ、もみ合うような物音も聞こえた。銃撃後に立てこもった男と説得する警察官による電話音声も公開された。

後悔と絶望

男は警察官に対し、母を亡くした絶望から自殺をする旨の発言を繰り返し、「どうせ死ぬなら今まで許せなかったやつを道連れに…」と話したり、訪れていた医師ら7人のうち2人を除いて「全員撃つつもりだった」と打ち明けた一方、「今後の希望もないし、だからと言って人を巻き込むのは良くなかった」と後悔の念を語る一幕もあった。

まとめ

この事件は、絶望と後悔、そして悲劇的な結果をもたらした一連の出来事を描いています。音声データは、事件の生々しい現場を再現し、被告人の心情を浮き彫りにしています。法廷での公判は、事件の全貌を明らかにし、被告人の行動とその結果についての理解を深める機会を提供しています。

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