北川景子の震災体験と芸能人としての使命感:阪神大震災からの希望のメッセージ

女優の北川景子(37)が2003年のデビューから20周年を迎えた。小学生時代に阪神・淡路大震災で被災。20代は記憶がなくなるまで働き、30代には人間不信にも陥ったという。

一家殺害事件の真実を追う映画監督を熱演したWOWOWの主演ドラマ「連続ドラマW 湊かなえ『落日』」(内田英治監督、全4話)が10日から放送・配信されるのを前に、これまでの歩みを振り返った。

「湊かなえさんの作品が大好きで。『落日』も記憶に残っていて。企画書を頂いた時から絶対やりたいと」

きれいな部分も汚い部分も含めて「生」であり、「人間」。そんな概念は、小学2年生の頃、阪神・淡路大震災を体験したことに起因する。

「人格を形成するにあたって、大きな影響を及ぼしたのは震災。昨日まで元気だった方が亡くなり、大けがをして。一夜にしてこんなふうになるんだと。人間や命に向き合うのはすごく早かった気がします」

日々、自身に問いかけた。「亡くなった人と自分の違いは、何だろう。みんなが頑張っていたのに、なんで自分じゃなかったのか」。小学生にして「不条理さ」と向き合った。

「テレビの中から芸能人の方が、メッセージや歌を送ってくれて。ZARDさんの『負けないで』とか。こんなにも勇気や希望をもらえるんだって。その時に、アーティストさんがどんな曲を歌ってくれたか、今でも全部覚えていて。まさしく被災地の希望でした」

生への思いを新たにし、誓った。「生かされた人間は、一生懸命生きるしかない」。決意を秘め、医師を志した。

03年。スカウトを機に、17歳から芸能活動をスタートさせた。数々のドラマや映画でキャリアを積み、トップ女優に上り詰めた。「あっという間の20年」だった。

「早かった。生まれたばかりの子が二十歳になる年月ですもんね。結婚しても子供が生まれても、仕事の数を抑えてもファンの方が楽しみにしてくださって。だから続けられた20年間。ものすごいラッキー、めちゃくちゃラッキー」。白い歯をこぼしたが、前半の10年は「記憶がおぼろげ」だという。

そして、後半の10年には「人生で一番つらい時期」にも直面した。29歳でDAIGO(45)と結婚した直後のこと。体が思うように動かない。気持ちも上向かなかった。

「人間だからバイオリズムってあるじゃないですか。30~32歳くらいが人生で一番と言えるほどつらくて。働きづめの20代を経て、体力的にガタがきて。体調不良みたいなものに、メンタルも落ちてきて」

「昨日乗った電車の向かいの方が、そのコメントを書いたかもしれない。スーパーで買い物をした時のレジの方が書いているかもしれない。私って、結構嫌われていたんだって人間不信、疑心暗鬼になってしまって。私みたいな昭和生まれの人間は、当初ネットとうまく付き合えなくて。その3年間は地獄のような日々でした」

結婚して、幸せの絶頂にも見えた30代前半での苦悩。生き方を変えて、対処した。

「3年間、取材でもなるべくきれいなことのみを言う

コメント

タイトルとURLをコピーしました