全国から集まった学生ランナーが関東の強豪に挑み、「一生に一度」の経験を積んだ。14日に東京都内で行われた第100回東京箱根間往復大学駅伝競走(箱根駅伝=読売新聞社共催)の予選会に関東以外の11校が参加。

京都産業大(京都府)の27位が最高で、上位13校に与えられる本大会切符には届かなかったが、選手らは「成長の糧にしたい」と晴れやかな表情で汗をぬぐった。
京産大など関東以外の大学も出場した第100回箱根駅伝の予選会(14日、東京都立川市の陸自立川駐屯地で)=前田尚紀撮影
京産大は小嶋郁依斗(かいと)選手(3年)が個人46位と健闘し、チームの総合記録(10時間54分22秒)も目標を1分以上、上回った。参加を巡り、当初は「関東勢との力の差は大きい」と消極的な意見も出たが、「本来はないチャンス」と決断。山口太誉(たいよう)主将(3年)は「予想以上にレベルが高かったが、関東勢も同じ大学生。負けない意識で努力すれば追いつけると思えた」と手応えを語った。
立命館大(京都府)は第40回の1964年に本大会に招待され、公式記録に含まれないオープン参加で17校中11位相当の記録を残した。60年ぶりの箱根路を目指したが34位にとどまり、北辻巴樹主将(4年)は「一生の思い出。だけど、(競技人生は)ここで終わりじゃない」と前を向いた。唯一の九州勢だった日本文理大(大分県)は39位。森田琉斗選手(2年)は「楽しくて気づいたらゴールしていた。次は個人種目で全国を目指したい」と刺激を受けた様子だった。
一方、11校中トップの京産大でも通過圏まで14分以上の差があり、「レベルアップが必要」と成長を誓う選手も多かった。札幌学院大(北海道)の渡辺隼翼(しゅんすけ)選手(3年)は「留学生や日本人トップについていこうと思ったが、経験したことのないペースだった」と走力を鍛える必要性を痛感。信州大(長野県)の田中悠貴主将(2年)は「スタミナ不足を感じた。予選会を経験し、これからは長い距離に臆することなく走れると思う」と力を込めた。
選手や指導者は経験を持ち帰り、後輩らに伝えていく。国学院大で箱根駅伝に4度出場した皇学館大(三重県)の寺田夏生監督(32)は「東海地方で突き抜けた存在になり、箱根駅伝の全国化を提案できるくらいの力をつけたい」と語った。
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