ネットで話題になる「身長マイナス体重」の値。かつて標準体重の計算に実際に用いられていた式ですが、現在は推奨されていません。そもそも標準体重とはどんな定義で、実態はどうなっているのでしょうか。

「単純な引き算」ではわからない
SNSで「身長マイナス体重がXX以上ならセーフ」といった投稿がしばしば話題になります。特にTikTokやYouTubeなどで、音楽に乗せて「身長マイナス体重=110が標準体重らしい」と紹介するショート動画が流行しています。
現在の標準体重の定義
しかし、これは現在の定義では間違いです。厚生労働省によれば、現在、成人の標準体重は「BMI(体格指数)=22になるときの体重」と定義されています。
子どもの標準体重
若いユーザーが多いSNSであることから、子どもについてもみてみます。厚労省によれば、子どもの標準体重は、文部科学省の学校保健統計調査報告書のデータに基づく年齢・性・身長別標準体重を用いて求められます。
“バズって”いる動画こそ注意を
ただし、過去に標準体重を単純な引き算で計算する方法が用いられていたのも事実です。こうした計算をした経験がある人、聞いたことがある人もいることでしょう。
引き算による方法の限界
こうした引き算による方法が用いられなくなったのは、当然、それが実態と合わなくなってきたから。最近ではBMIでさえ、同様に実態と合わなくなっていることが指摘され、肥満の基準としての見直しが進んでいます。
統計的な分布に基づく計算
肥満はさまざまな病気のリスクになり、余分な脂肪がない方が望ましいのは事実です。しかし、そもそも、こうした計算は、たくさんの人間を集団で見たときの統計的な分布に基づいています。
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