【U18W杯】前田悠伍、不完全燃焼の最後の夏を乗り越え米国圧倒 最大のピンチ自ら刈り取った

日本対米国 先発し力投する日本・前田(撮影・保坂恭子)<U18W杯:日本4-3米国>◇3日◇1次ラウンド◇台湾・台北市立天母野球場

日本のエース前田悠伍投手が仁王立ちした。

前回王者米国との大一番に先発。力強い直球と多彩な変化球で強力打線を寄せ付けず、5回2/3を無失点。8奪三振と圧倒し大きな白星をもたらした。

「決勝で悔しい負け方をして、もう1度ジャパンで投げられるチャンスをいただいた。悔いのない投球ができたらと思います」

大阪大会決勝で履正社にショッキングな敗戦。世代NO・1投手と言われながら全国制覇を狙った最後の夏は不完全燃焼だった。

敗戦直後に荷物を整理して退寮し滋賀の実家に戻ったが、わずか数日で寮に戻った。1カ月後の「日の丸」に全てをかけるつもりだった。後輩の手も借りて、実戦形式のマウンドを何度も踏んだ。セットポジションからの投法に変更。球威を上げるため、二段モーション気味に右足の上げ方を変え、国際大会仕様のフォームを磨いてきた。

最速は144キロ。得意のチェンジアップはことごとく右打者のタイミングを外した。不運な安打で招いた4回無死二塁の最大のピンチも、自ら投ゴロをさばき、併殺に持ち込んだ。各校のエースがそろった侍ジャパンで「エース」と馬淵監督に指名された。背番号18の意味を、世界のマウンドで証明してみせた。【柏原誠】

▽日本・前田(6回途中4安打無失点、8奪三振の好投)「ずっと気持ちを作って米国戦に合わせてきた。いろいろな球種、配球を使って流れを渡さない投球ができた。明日からもいい流れで勝ち進みたい」

▽日本ハム稲葉GM(前田について)「体の大きい米国を相手に、悪条件の中で自分の球も気持ちもコントロールしていて、素晴らしい。国際大会はいろいろなことが起こる中で、動じない、精神的な強さがある」

▽ソフトバンク福山スカウト部チーフ(前田について)「曲がり球、抜く球のコンビネーションなど持ち味を発揮していた。ここまでセンスのあるタイプはなかなかいない。ボディーコントロールや強弱の付け方など、高校生のレベルではない」

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