勝浦市:100年以上猛暑日がない「涼しい町」の魅力と課題 #ニュースその後

「関東の隠れた避暑地」「夏過ごしやすい町」。昨夏、100年以上気温35度を上回る猛暑日がない町として盛んに報道され、一躍注目の的になった外房の港町・千葉県勝浦市。夏の観光客が目立って増えるなど「涼しい町」のイメージが定着し、市も移住促進につなげようと知恵を絞っている。1年がたち地元にどんな影響が出ているのか、探ってみた。

430年超の歴史がある勝浦朝市。「8月になって一気に人が増えた。平日でも土日のような感じ」。出店者の男性は目を丸くする。7月下旬にテレビ番組で「真夏に涼しい」と勝浦が特集されたこともあり、朝市通りは時間帯によって、すれ違う人の肩がぶつかりそうになるほどにぎわっていた。

勝浦の夏は都心と比べて気温が2~3度低い。統計を取り始めた1906年以降、最高気温は24年8月23日の34・9度。今年は7月17日の34・5度が最高。陸地近くの海が急に深くなっていて海水温が冷たく、その海水によって冷やされた海風が陸地に入り込んで気温の上昇が抑えられる。

市企画課によると、昨年度の移住に関する問い合わせは409件で前年度の1・6倍。8月だけみれば2倍の52件あった。本年度も昨年度並みの相談が寄せられていて、支援金などサポートを充実させて移住を推進する。

ただ、「相談から移住につながった数は追えていない」と同課。東京23区などからの転入者による支援金申請実績があるが、移住した理由など実態をつかみ切れていない。

夏涼しい町として認知が広まった勝浦。涼しさを町の売りにして移住につなげるには課題があるようだ。市企画課の移住担当者は「まずは勝浦に興味を持ってもらい、勝浦の好きなところを見つけるサポートをしていきたい」と話している。

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