丸武産業株式会社3代目社長の田ノ上智隆(たのうえ・ともたか)さん。右後ろにある兜は、米大リーグ・エンゼルスの大谷翔平選手がホームランセレブレーションでかぶって話題となった丸武産業の商品「紺糸威仏二枚胴(こんいとおどしほとけにまいどう)」の兜。

釣竿製造から甲冑製造への転換
鹿児島県北西部、薩摩川内市(さつませんだいし)にある丸武産業は、1958年創業の甲冑メーカーです。「丸竹産業」の社名で、初代の田ノ上忍(たのうえ・しのぶ)さんが竹製釣竿の製造で起業しました(2006年に「丸武産業」に社名変更)。忍さんの元には全国から釣竿の注文が絶えませんでした。

映画・ドラマの衣装製作会社に就職した3代目
3代目の智隆(ともたか)さんは2代目で現会長、賢一さんの長男です。「幼いころは祖父の家で見る鎧や兜が怖かったですね。でも小学生になると、祖父からお小遣いをもらって武者姿で戦国村の中を歩き回り、お客さんといっしょに記念撮影をする『アルバイト』をしていました」

本社戻って驚いた派閥 「笑顔のある会社にしたい」
2015年、鹿児島の本社に戻った智隆さんは驚きます。工場内に派閥ができて、職人たちの間で仲違いが発生していたのです。派閥は戦国村にもありました。智隆さんは当時をこう振り返ります。

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