今年7月、日本テレビの情報提供サイトに寄せられた悲鳴です。全国的に記録的な暑さとなった今年の夏、各地の学校施設でエアコン設置などの熱中症対策が進められていますが、給食室は置き去りになっている実態があるといいます。なぜ、給食室へのエアコン設置はなかなか進まないのでしょうか?(報道局 調査報道班 吉田理一郎)
調理中の気温は40℃超え「あまりに過酷…」
横浜市の公立小学校で、給食調理員として働いているという女性。「夏休み前の7月中旬、給食の揚げ物を調理するため鍋に火をかけると、あっという間に気温が43℃まで上がりました。担当の調理師さんは、暑さで顔を真っ赤にして作業していました」就業先の給食室にはエアコンがなく、夏場の加熱調理中は室温が40℃を超えることもあるといいます。

「あまりに過酷な環境で、帰宅するといつもぐったりしています。健康を害する恐れもあるので、命を守るものとしてエアコンを設置してほしいです」栃木県の公立小学校で給食調理員として働く女性は、自分の身は自分で守るしかないと話します。「水分補給はもちろんですが、頭痛や吐き気など熱中症の症状がみられたときは、我慢せずエアコンがある休憩室で休むように声を掛け合っています」
記者が給食室を体験…実態は?
給食室の実態はどんなものなのか?私たちは千葉市の許可を得て、市内の小学校の給食室を取材しました。8月31日の午前。訪れた学校では、4人の調理員が生徒と職員ら合わせて160人分の給食を作っていました。加熱調理が始まった時の外の気温は31℃でしたが、揚げ物のため鍋に火を入れると室温は34℃に上昇し、室内全体がモワッとする熱気に満たされました。

さらに、隣の鍋でもナスの煮物作りが始まり、調理員は大きな鍋から立ち上る湯気を顔に直接受けながら、絶えず全身を使って具材をかき混ぜ続けていました。調理員「火がついているときは離れるわけにもいかないので我慢です」加熱調理が始まってからおよそ1時間。時折水筒の水を補給する以外は、鍋の前を離れることはほとんどありませんでした。
調理員「水分が取れないと調理中に頭が痛くなったりすることもあります。 仕事中は気が張っているけれど、終わったあとに一気に疲れが来て体が重くなります」給食室を出る頃には、記者も調理服の下に着ていたTシャツの色が変わるほど汗をかいていました。
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